「とりあえず冷やす」――その頭痛ケア、合っていますか?
頭が痛くなったとき、あなたはどうしていますか。
冷たいタオルをあてる人。逆に、お風呂でしっかり温める人。暗い部屋で横になる人。痛み止めを飲んで、なんとか一日をやり過ごす人。
どれも「良かれと思って」していることのはずです。でも、もしそのケアが、あなたの頭痛のタイプには合っていなかったとしたら——。頭痛が長引いたり、かえってひどくなったりする原因が、その「良かれと思ったケア」のほうにあることは、めずらしくありません。
「頭痛なんて、どれも同じでしょう?」そう思っていた方ほど、この先を読んでみてください。
「頭痛」はひとつじゃない――緊張型頭痛と片頭痛は、別もの
ひとくちに「頭痛」といっても、性質のまったく違うものがあります。代表的なのが、緊張型頭痛と片頭痛です。この2つは、痛み方がはっきり違います。
- 後頭部から首すじ、両側が「締めつけられる」「重い」感じ
- ヘルメットをきつくかぶせられたような、鈍い痛み
- 動いても悪化しない。むしろ少し動いたほうが楽になることも
- 吐き気はあまりない
- 片側(ときに両側)が「ズキンズキン」と脈打つ
- 体を動かす・階段を上ると、痛みが頭に響いて悪化する
- 吐き気をともなったり、光・音・においがいつもよりつらい
- 人によっては、痛む前にチカチカ・ギザギザした光が見える(前兆)
あなたの頭痛は、どちらに近いでしょうか。
両方が混ざる方もいますが、まず「締めつける鈍い痛み」なのか「脈打つズキズキ」なのか。ここが、ケアを選ぶ最初の分かれ道になります。
ケアが”正反対”だった――温める?冷やす?動く?休む?
ここが、いちばんお伝えしたいところです。緊張型頭痛と片頭痛では、効くケアがほとんど正反対なのです。
緊張型頭痛は、首や肩の筋肉のこわばりが背景にあります。だから——
- 温める(蒸しタオル、入浴)
- 首や肩を、ゆっくり動かす・ほぐす
- 軽く体を動かす
こうしたケアで血のめぐりがよくなり、ふっとゆるみます。
ところが片頭痛は逆です。温めたり動いたりすると、ズキズキが強くなってしまいます。片頭痛のときは——
- 痛む部分を冷やす
- 暗くて静かな場所で、じっと安静にする
これが基本になります。
つまり、緊張型頭痛の人が「頭痛だから」と冷やして暗い部屋にこもっても、こわばりはゆるみません。逆に、片頭痛の人が「血行をよくしよう」と湯船で温めたり運動したりすると、痛みが増してしまう。
「良かれと思ったケア」が、タイプを取り違えると裏目に出る——これが、頭痛がなかなかラクにならない、隠れた理由のひとつです。
⚠️ その頭痛、すぐに病院へ――見逃してはいけないサイン
ここで、大切なことをひとつ。
頭痛のほとんどは、命にかかわらないものです。ただ、まれに、すぐ受診したほうがよい頭痛もあります。
次のような頭痛は、緊張型でも片頭痛でもありません。ためらわず医療機関へ向かってください。
- 突然、今までに経験したことのない激しい頭痛に襲われた
- 手足のしびれ・麻痺、ろれつが回らない、ものが見えにくいをともなう
- 高熱とともに、首のうしろが硬くこわばる
- 頭を打ったあとに痛みが出てきた
- 「いつもと、明らかに違う」頭痛
我慢や自己判断をせず、まず安全を確かめる。これがいちばん大切です。そのうえで、繰り返す緊張型頭痛のお話に戻ります。
緊張型頭痛の”本当の原因”は、首と肩の奥にある
緊張型頭痛で多くの方が見落としているのが、痛んでいるのは「頭」でも、原因は「首と肩の筋肉」にある、ということです。
長時間のデスクワーク、スマホをのぞき込む姿勢、気を張りつめた毎日。そんな中で、首から後頭部にかけての筋肉——僧帽筋や、頭のつけ根の奥にある後頭下筋群といった筋肉が、こわばり続けます。
この奥の筋肉がこり固まると、そこから後頭部へと痛みが広がっていきます。頭が痛いのに、いくら頭をマッサージしても、痛み止めを飲んでも、しばらくするとまた戻ってくる。それは、痛みの”出どころ”である首や肩の奥の筋肉に、手が届いていないからかもしれません。
肩や首のこりが、頭痛とひとつながりだった——そう感じたことはありませんか。(肩こりを「治そう」とするほど、繰り返す理由はこちら)
なぜ、薬を飲んでも揉んでも繰り返すのか――北京堂浅野式が”届く”場所
横浜まのあ鍼灸院で行っている北京堂浅野式の鍼灸は、この「奥の筋肉」に直接アプローチします。
まず、実際に首や肩を触って、どこがこわばっているのかを確かめます(触診)。表面をなでるのではなく、痛みの出どころになっている深い筋肉を探していきます。そして、その筋肉まで鍼を届かせます。

鍼が硬くなった筋肉に届くと、「ズーン」と響くような独特の感覚があります。これは得気(とっき)と呼ばれ、ねらった場所にしっかり届いた合図です。表面をほぐすマッサージや、痛みを一時的におさえる薬とは、アプローチしている”深さ”が違うのです。手でもみほぐすと気持ちいいけれど、数時間でまた戻る。それは、指では届かない深さに、こりの芯が残っているからかもしれません。
なお、片頭痛は血管や神経が関わる頭痛で、緊張型頭痛とは仕組みが異なります。ただ、首や肩のこわばりが片頭痛の引き金のひとつになっている方もいて、その緊張をゆるめることがラクさにつながるケースもあります。「自分はどちらだろう」と迷うときは、無理に決めつけず、一度ご相談ください。
治療後の経過――2〜3日の筋肉痛、そしてスッキリ
正直にお伝えしておきたいことがあります。
深い筋肉に鍼が届いたあと、2〜3日ほど、軽い筋肉痛のようなだるさが出ることがあります。「これって大丈夫?」と心配になるかもしれませんが、これは固まっていた筋肉がゆるみはじめているサインです。
そのだるさが抜けたころ、頭から首・肩にかけて、ふっと軽くなる感覚に気づく方が多くいます。こりがほどけ、頭痛の出どころそのものがゆるんでいく。一時的に痛みを散らすのではなく、繰り返す頭痛の土台に向き合っていく——それが、この鍼灸の考え方です。
その頭痛、まだ「出どころ」に届いていないだけかもしれません
頭が痛いとき、とりあえず冷やす。とりあえず薬を飲む。それで何年も、やり過ごしてきたかもしれません。
でも、あなたの頭痛が緊張型なら、ケアの向きが少し違っていただけ、あるいは、痛みの出どころである首と肩の奥に、まだ手が届いていなかっただけ——その可能性は十分にあります。
冒頭の「良かれと思ったケア」を、いちど見直してみる。それだけで、長く付き合ってきた頭痛との関係が、変わりはじめるかもしれません。
横浜・元町中華街の横浜まのあ鍼灸院では、その頭痛がどちらのタイプで、どこにアプローチできるのかを、ていねいに確かめるところから始めます。
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